第380回「脱ポジティブシンキング」

児玉伸也のブログ

「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。

原則とは・・・①万国共通で不変なもの
       ②質の高い結果を生みだすもの
       ③私たちの内面の外側にあるもの
       ④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
       ⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの

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昨日、睡眠・食事・運動が大事ですよとの投稿をしたばかりですが、当時の私は出来ていなかった・・・どれ一つも。

自戒の意味もこめて書きました。

パワハラに対して、「一人で悩まないでください」「声をあげてください」と何度もなんどもお願いしている理由が今回の投稿でご理解いただけると思います。

こんなこと書くと、クライアントが遠ざかる気もしますが、もう小出しに?カミングアウトもしているし、自分の中では過去に起こった一つの”できごと”に過ぎないので、自分史の闇の深い部分にメスを入れて行きます。

こんな投稿しなければいいのに・・・この社労士大丈夫なの・・・といった声も聞こえなくはないですが、自分の心の闇に触れることなく「7つの習慣」は素晴らしい!というのは非常に誠実さにかけるような気がして。

人の悩みや苦しみに共感できないような方であれば、お付き合いを断つ覚悟はいつでもできております。

今の私しかご存じない方に、「実は四半世紀もの間、重度の鬱で苦しんでいて、死にかけたこともあるんですよ」と話すと大抵の人は驚かれます(付き合いを断たれたということはありませんが 笑)。

自分でも今の自分がこうして存在していて、こうしてブログを書いていることに、数奇な人生の悪戯を感じます。

20数年前の自分に語りかけてやりたい「この苦しみは永遠には続かない。君は立派に生きているよ」と。

どれほど重度な鬱病であったのか症状等はここでは割愛させていただきますが、恐らくこのタイトルだけで本が1冊出版できるくらいの”生き地獄”は味わってきました。

「7つの習慣」に出会ったお陰で、この闇から解放されました!などと、TVショッピングのテンプレのようなことは決して言いませんし、あり得ません(笑)

むしろ渦中にいるときは「7つの習慣」どころか本なんて読む余裕もなかった。一冊の本よりも一時間の睡眠を、一瞬の心の安らぎをという日々でしたから。

「神様は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉はまるきり信じていなかったし、今でも「そうだろうか・・・」と懐疑的に思うところはあります。

そんな状態が25年超も続いたのだから、頭が錯乱していてもおかしくはない。何とか脱して、本を読めるようになったのも、自分の歴史や人生を客観的に見れるようになったのも、終わりを思い描けるようになったのも、色んな奇跡が絡んでの結果だと今でも思っています。

先日、トッププロコーチトレーナーでもあり、「7つの習慣セルフコーチング」を監修していただいた馬場啓介さんの認定コーチ限定配信動画を拝見させていただきました。

「過去に辛いできごとがあったとしても、無理にポジティブにいる必要は無い。そのままの感情をジャッジしないで受け止めることが大事です」という言葉が心に刺さりました。

ポジティブなことをさらにポジティブにする相手から自己肯定感やモチベーションを引き出してあげることがコーチの役割だと思っていたからです。

「過去の自分、そして今の自分と”向き合う”のではなくて、未来に向かって”同じ方向を向く”ことです」・・・本当にそう思います。

本音は苦しくて仕方がないのに、無理やりポジティブな言葉を口にすると余計に苦しくなることを経験しています。

藁をもすがる思いで、高い受講料支払って、○○ワークとか、○○ヒーリングとかも受けました。鬱に効くというワードがあれば、借金してでも受けに行きましたが、これは素晴らしい、お陰様で・・・などというものは一つもありませんでした。

身も蓋もない言い方ですが、自分で何とかするしかないのです。一番心強いのは周囲の気遣いだったり、何も言わずにぎゅっと抱きしめてくれるスキンシップだったり(言葉など無力な場合もある)・・・自分が孤独ではないと思える状態をいかに作れるのか?が改善への第一歩です。

心の闇から引っ張り出してくれる他者の存在ほど勇気づけられることはありません。

医療行為でもスピリチュアルでもなく。

*もちろん、ちょっとおかしいと思ったら専門医への受診をしてください。医療行為を否定するものでは一切御座いません。スピリチュアルなものは眉唾ですが。

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新進気鋭の脳科学者中野信子氏も初の自伝的著書である「ペルソナ」のなかでこう書いてあります。

「苦しいときには前向きにいられる方がむしろおかしい。苦しいときには苦しくて当たり前だ。表では、”清く正しく美しくあれ”と言外のメッセージを敏感に受け取ってしまう人だからこそ、その分だけ、裏ではその澱(おり)を、どこにも零すことができなくなってしまったのではないか。今でも悶々と考えてしまう」

「私は少なくとも、ポジティブ思考だけでできている人を見ると、あまりに不自然で、息がつまるように感じ、苦しくなってきてしまう。その人が押し殺して自分自身にしか見せない澱が、その人の中に溜まっているのを、表情や言葉の端々から透かして見ることができてしまうと、もう悲しくなって、目をそらさずにはいられなくなってしまう」

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「苦しい」ときに「苦しい」と言える人が近くにいればどれほどの助けになるのか。どれほど救われるのか。当時の私は”言えなかった”し、言える時代でもなかった(鬱病という言葉すらポピュラーではなかったし、精神病の一言で片づけられていた時代)。

当時の私と並走することができるようになって、自分史を未来にまでつなげることができるようになって、初めて「7つの習慣」を人に伝えるという自分のミッションが明確になり、伝えたいという意欲が日に日に強くなってきました。

本当に苦しんだ人間でなければ、相手の本当の苦しみに寄り添うことはできない。これは強く確信します。

「7つの習慣」は心身が健康であるときに効果性を発揮する書籍です。

心身の異常事態まではいかない悩みや不安に対して、生きていく上での指針を示してくれる書籍です。

今現在苦しみの渦中におられるのであれば、先ずはその痛みを取り除くことが最優先事項です。これも原則です!

「できない」自分を責めないことです。すべては病気のせいです。

辛いときは辛い、苦しいときは苦しいと自分にも周囲にも正直に伝えてみてください。受け止めてくれる方が必ずいますから。

夜眠れて、朝起きれて、普通に呼吸ができることがどんなに素晴らしいことか!と心から実感することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

常にポジティブシンキング・・・ずっと違和感のある言葉でした。

「苦しい」ときに「苦しい」と言えないほど「苦しい」ことはない。

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