230314「正義中毒と7つの習慣(キレやすい老人たち)」-7

児玉伸也のブログ

「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。

原則とは・・・①万国共通で不変なもの
       ②質の高い結果を生みだすもの
       ③私たちの内面の外側にあるもの
       ④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
       ⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの

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加齢が脳を保守化させる・・・どういう意味か?

「(相手の発言や考えを)排除したりせず、異なる考え方を尊重し、互いを認め合いたいものです。しかし、これは脳科学的には難しい問題でもあります。実はどのような相手に対しても共感的に振る舞い、人間として尊重し、認めて行くという機能はとても高度なものなのです」

⇒ここで脳の働きのお話しが出て来ますが割愛させていただきます。「7つの習慣」を実践するということは、脳科学的にはとても高度なことに挑戦しているということになるのですね!

なぜ年を取るとキレやすくなるのか・・・

「老人が相手に有無を言わせず、自分の倫理だけを信じて、直情径行的に行動してしまうのは、前頭葉の外側前頭前野が衰えているからかもしれません。一般に、加齢とともに思考が保守化すると言われますが、同じ理由で説明できます・・・ここで言う保守化は、政治的な思想の保守という意味ではなく、自分がもともと持っていた思考の傾向が、より強化され、それ以外の意見は自動的に棄却される確証バイアスが働いて、さらに思考が硬直化して行く、といったイメージです」

⇒年を取ると頑固になるとか、人の話を聞かなくなるとか、思考の柔軟性が無くなるなどといった現象は脳科学でも認められているのですね。いわゆる、キレやすい老人💦

しかし、ご安心ください。コヴィー博士も赤羽雄二さんも「人は何歳からでも変われる、成長できる」とおっしゃっているし、中野信子さんご自身も「学びに年齢は関係ない。学ぼうと思ったときが適齢期」ともおっしゃっています。

脳はそうした傾向が強くなるが、常に柔軟な考えや疑問を持ち、インプットとアウトプットを繰り返し、情報に対して高くアンテナを持ち、様々な価値観や意見を持つ人たちと交流を深めることで、そうしたバイアスにハマらなくなります。つまり・・・皆がみんな“キレる老人”にはなりません(笑)

旧石器時代のパラダイムから抜けられない残念なおじさんたちは、そもそも学ぼうという姿勢が無い、別の考えがある、別の視点がある、相手にも事情がある、相手にも大切にしている人がいる、価値観は人それぞれなどといった前提を知りません。

自分の住んでいる世界が絶対だと信じて疑わない、”裸の王様”なのです。

典型的なパワハラ上司も旧石器時代のパラダイムに固執し、価値観のアップデートができていません。

「俺もこうやって鍛えられてきたんだ。これぐらいのことで根をあげてどうする」「有休だと?冗談じゃない。そんな甘い考えでは勝ち組にはなれないぞ」「仕事をするのに、1週間は七日間ある。1日は24時間ある」「男にとって仕事は戦場だ。女は黙ってついてくればいい」・・・未だにこうした輩が存在するのです。だから、パワハラも無くならない。

そうした方々にこそ「7つの習慣」を読んでいただきたいのですが・・・パワハラ上司の特徴の一つとして、部下に本をくばりたがる(読ませたがる)傾向があるそうです(笑)

以前、聞いたお話しではパワハラ上司が「人を動かす」を持ってきて「読みなさい」と渡されたそうなのですが、その被害者の方は心のなかで「お前がな!」と言ったそうです(笑)笑うに笑えない話しですが。

「まず相手の話しを聞けるようになることが第一歩だ。それには精神的な強さがいる。我慢強く心を開き続け、相手を理解したいという気持ちがなければ、人の話を本当に聴くことができない。高い人格が要求される。つまり、人格ができていなければならないのだ」完訳版 p35

「私は人の話を聴けます」という方のどれくらいが、本当に聴けているのかはなはだ疑問です。

いつでも・どこでも・誰に対しても、共感による傾聴=アクティブリスニングを実践するためにはトレーニングが必要だからです。

そして、人格を磨き続けることによって、相手の立場や視点に立って共感することができるようになります。近道はありません。

次回に続く・・・

(連続投稿391日目)