「7つの習慣」は個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。
原則とは・・・①万国共通で不変なもの
②質の高い結果を生みだすもの
③私たちの内面の外側にあるもの
④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの
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前回は”インサイドアウト”と言う考えについて触れましたので、その逆、”アウトサイドイン”についても触れてみたいと思います。
”アウトサイドイン”は文字通り”外から内へ”のアプローチです。
人間が成長する過程で、外から埋め込まれた価値観や言葉・・・
「○○ねばならない!」「○○べきだ!」「○○なはずだ!」「一般的には○○」「常識的に言って○○」「普通は○○」・・・言葉で表すとこんな言葉が当てはまって来ます。
子供の頃を思い出してください・・・
「遊ばなければ!」「今日は友達と遊ぶべきだ!」などとは考えなかったですよね?
「遊びたい!」「今日は友達と遊びに行こう!」・・・だったと思います。
逆に宿題に関しては・・・
「宿題やらなきゃ!」「宿題はやるべきだ!」こんなこと思ったことありませんか?(勿論、宿題が大好きで楽しい、やりたいと思っていた方もいらっしゃるとは思いますが)
そうなのです。
人間は本来”主体的な生き物”、真っ白なキャンバスに「こんな絵を描きたい!」と思っているのです。
ところが、成長する過程で、親や学校、友達、会社、メディア等々からの刷り込み(洗脳と言い換えても良い)を受けて、インサイドアウトであった思考が、アウトサイドイン(外からのアプローチ)に上書きされて行くのです。
パワハラを受けている社員が、「悪いのは仕事ができない自分だ」と思って自分を責めてしまうのも、そうした洗脳によって思考停止にされているからです!
*パワハラに関しては100%加害者が悪いにもかかわらず。
子供たちが「宿題やらなきゃ!」「宿題はやるべきだ!」と考えるようになるのも、そのような刷り込みをした社会(親や教師等)の影響が強いと思います。
「部屋を片付けなさい」「○○君と遊んではいけません」「家の手伝いをしなさい」「親の言うことを聞きなさい」「あなたのためを思って」・・・すべて子どもの主体性を殺すアウトサイドインな言葉。
子どもに主体性を持って欲しければ、まずは親が子どもを理解しようと努め、子どもの視点に立って考え、判断もせず、決めつけもせず、無条件の愛を与え、親自身が模範となる。
*親が子どもにできる唯一のことは、子どもを理解すること、暖かい食べ物と住む家を提供し、子どもに対して100%の安全基地となることのみ。
外からの刷り込みによって形成されていった”思い込み”や”決めつけ”に気が付かないままでいると、自分は悪くない!悪いのはこうさせた○○のせいだ!と究極の他責思考が完成してしまうのです。
経営者のこんな言葉を耳にすることがあります。
「うちの社員は”指示待ち”ばかりで、まったく自分から動こうとしない・・・」
企業の風土を何色に染めるのも経営者の心持ち次第であると思います!
社員を主体的な人間に育てたかったら、先ずは社長が自ら実践し、教育し、傾聴する姿勢を持つ⇒批判をするのではなく模範となる。
全員参加で会社のミッションステートメントを作成(⇒参加無くして決意なし)・共有し、社員を一人の人間として常に尊重していれば、人間は本来主体的で素晴らしい能力を持っているのですから、社長や上司に言われたからやるといった”指示待ち”社員はいなくなります!
組織も家族も”劇的に”変わります!
但し、アウトサイドインがすべて駄目と言うわけではありません。
安全にかかわることや生命にかかわるような事態に置いては、トップダウンで指示を出して行かないと、社員の自主性にまかせていたら、企業の存続や生命の危機にさらされる危険性もあります。
短期的な変化・断片的な変化のみを求めるのであれば、アウトサイドインも有効な場面があります。
原則はインサイドアウトのアプローチです。
やらされている(アウトサイドイン)のではなく、自らがやる!やろう!と決意し、実行していく(インサイドアウト)ことで周囲にも”影響の輪”は広がっていきます。
問題は自分の外側にある⇒アウトサイドイン!
問題は自分の内面にある⇒インサイドアウト!
(投稿番号443)