第228/365回:「ほめる・承認する・共感する」-1

児玉伸也のブログ

「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。

原則とは・・・①万国共通で不変なもの
       ②質の高い結果を生みだすもの
       ③私たちの内面の外側にあるもの
       ④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
       ⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの

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私、先日「承認ファシリテーター養成講座」と言うワークショップに参加してきました。

承認することとは、”相手が気づかない優れた能力、資質、業績、貢献、成長、可能性などについて、その事実を本人に伝え、自覚させること”とここでは定義づけされています。

ざっくりと言うと、”相手を尊重し、ありのままの相手を受け入れて、成長を促していく行為”です。

”承認すること”は関係性で言うと”横の関係”です。一方、”ほめること”は上から下と言う”縦の関係”です。

親が子供をほめることはあっても、子供が親をほめることは余り聞いたことが無いし、上司が部下をほめることはあっても、部下が上司をほめることは余り聞いたことが無いですよね?

”承認すること”はこうしたパワーバランス関係なく、相手が誰であっても尊重し、その存在や行動を認めることです。

人は誰でも大なり小なり、承認欲求を持っています。その承認欲求を満たしてあげることがモチベーションの向上にもつながり、自己肯定感も増して、相手も自分も成長し、コミュニケーションを円滑にするための潤滑油ともなります。

さて、ここでは他者を”承認すること”と、自分が”承認されたい=承認欲求”は別軸で考えなければなりません。

アドラー心理学に置いては「承認欲求は捨てなさい!」と言われています。

「承認欲求を持っていてはいけないの?」と思いますよね!?

そうではありません!「承認されることが行動の目的」になってはいけないと言うことなのです。

アドラーは”承認”と言う言葉は使っていませんが、似たようなニュアンスで”勇気づけ”と言う言葉を使っています。(アドラー心理学が”勇気の心理学”と呼ばれる所以でしょう)

「反応しない練習」著:草薙龍瞬の中でも、ブッダの教えとしてこの”承認欲”事態を否定してはいません。

但し、”承認欲”が強すぎると”嫉妬”=”(承認欲が満たされない)怒り”となって表れてくるので、”承認欲”が自分で自分を苦しめていないか?執着していないか?を考え、「苦(不快)を感じたら手放しなさい」と言っています。

”承認欲”に限らず、どんな欲求でも求めすぎる心・過剰な欲求(=貪欲)は、自分で自分を苦しくし、周りも不幸にしてしまうからです。

では、「7つの習慣」では”承認欲”について、どのように書かれているでしょうか?

実は”承認欲”そのものについては具体的に書かれてはいません!

その”承認欲”が”原則”と照らしてどうなのか?・・・「7つの習慣」では”承認欲”に限らず、すべての思い・考え・行動が”原則”と照らし合わせた場合にどうなのか?正しい原則と照らして、その中に”価値”を感じることが出来るのか?を問いかけています。ここがポイントなのです!!

”承認欲”自体に良い・悪いはありません。原則と照らし合わせた時に、自分の承認欲を満たす言動が、原則からも外れていなくて、周囲にも長期的に良い影響を及ぼすものであるならば、自覚し行動に移すことはインサイドアウト影響の輪を広げて行くことにつながって行くのです。

さて、「ほめる・承認する・共感する」は奥が深いのでまた次回に・・・