第244/365回:「社会通念の鏡」

児玉伸也のブログ

「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。

原則とは・・・①万国共通で不変なもの
       ②質の高い結果を生みだすもの
       ③私たちの内面の外側にあるもの
       ④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
       ⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの

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「7つの習慣」は独特の言い回し、用語が書かれていますが”社会通念の鏡”とは?

どのような人間になるかは、状況や条件付けによって決定されると考えられている三つの決定論=社会通念の鏡のことです。

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①遺伝子的決定論・・・「あなたが短気なのはお爺さんからの遺伝だ。だからあなたも短期なんだ」「我が家の家系は太りやすい体質だ。だからあなたも太っているんだ」⇒どのような人間になるかは、すべてが遺伝子のせいにしている決定論。

②心理的決定論・・・「あなたの性格はそういう家庭で育ったからだ」「親の愛情を受けずに育ったから、私も子供たちに愛情を注げない」「苦労を知らずに育った人間に、人の苦労が判る筈がない」⇒どのような人間になるかは、すべて育ちや子供時代の体験のせいにしている決定論。

③環境的決定論・・・「私が不幸なのは世の中のせい(配偶者のせい・会社のせい・国のせい・○○のせい)⇒どのような人間になるかは、すべて他者や環境のせいにしている決定論。

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フロイト心理学の「原因論」にもとづいていますね。

一見説得力のある要因のように思えますが、ここには大きな落とし穴が隠れています。

それは、人間には今この瞬間に“選択する自由”があると言うことです!

どんな人間になるのかは、“自分で選択できる”と言う大変重要な原則にもとづいていないのです。

過去に辛い思いをしたのであれば、自分の子供たちには同じ思いはさせない、自分が「流れを変える人になるんだ」と言う選択も出来ます。

アドラーは「嫌われる勇気」の中で「人は変われる。今この瞬間から」目的論のアプローチ)と言っています。

コヴィー博士は・・・

「あなたがどんな状況に置かれていようとも、それまでの自滅的行動パターンを捨て、新しいパターン、効果性、幸福、信頼を土台とする関係を生みだす新たなパターンを身につけることが出来るのだ」完訳版 p70