「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。
原則とは・・・①万国共通で不変なもの
②質の高い結果を生みだすもの
③私たちの内面の外側にあるもの
④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの
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今回から数回に渡って、中野信子さんの著書「正義中毒」と「7つの習慣」をもとに、「正義中毒」の被害に遭わずに、自分自身が「正義中毒」に陥らないための方策を模索して参ります(笑)
「緊急中毒」という言葉は、確か私が考え出した(もちろん、使用している人はいると思いますが、少なくとも私の周りではおりません 笑)造語ですが、「正義中毒」は初めて聞きました!
人はなぜ、「自分こそが正しい、正義だ。あなたは間違っている」と、自分と異なる意見や新しい考え・思想を排除してしまうのでしょうかという答えが、脳の働きを主にわかりやすく書いてあります。
⇒「7つの習慣」で言うところの、自分のパラダイムが正しいと疑わないこと。違いを尊重しないこと。相手を一人の人間として尊重しないこと。第3の案(シナジー)が生まれることを信じない姿勢・・・この辺りでしょうか。
*人が自分のパラダイムから外れた行動を取るのがいかに難しいのかは、完訳版p21ではこのように書かれています・・・
脳科学的に言うと、他人に正義の制裁を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質ドーパミンが分泌されるそうです。
*正義であるかどうかの判断⇒思考⇒行動は、自身の持っているパラダイムが影響を及ぼします。パラダイムシフトを起こせない人は「正義中毒」に陥りやすいということですね。
これはもう、戦争状態ですね!しかし、この”小さな戦争状態”が、毎日さまざまなところで繰り広げられているのです。
組織であったり、コミュニティーであったり、会議であったりなどの人が集まるところ・・・もっとも発見しやすい”正義中毒”はSNSのなかに多く見られますね。攻撃者は匿名性を保てるので余計にエスカレートする。
後悔や反省の念がある間はまだ救いようがあります。”違いを尊重する””相手を許す”という原則に気づける可能性があるから。
◎正義中毒は人間の宿命・・・
「自分とは異なるものをなかなか理解できず、互いを”許せない”と感じてしまう正義中毒は、実は人間である以上、どうしようもないことなのです」
「(人間という動物は)知性があるからこそ愚かさがあり、愚かさのない知性は存在し得ないという表裏の関係があると言ってもよいでしょう」
・和をもって尊しとなす=「何事をやるにも、みんなが仲良くやり、いさかいを起こさないのが良いということ」
ご存じ、聖徳太子が遺した有名な言葉であり、この精神が脈々と受け継がれてきた日本だからこそ、守られてきたところはたくさんあると思います(特に災害時に置いては)。
しかしこの反面、集団に置いては、相いれないものは排除されるという文化を醸成した背景にも味方してしまったともいえるのではないでしょうか。
「だったら、日本から出て行けばいいではないか」と言った声も(正義中毒の方からは)聞こえて来そうですが、これこそが「正義中毒の正体」。
自分の意にそぐわない・異なる価値観を持つものを排除しようとする姿勢。出た杭は打て(出すぎた杭は打たれませんが 笑)。公よりも個を尊重することは愚かなことだ。
自分は公のなかで生かされているという共同体感覚(帰属意識)は必要だと思います。自分勝手とは違います。人は宇宙で住むのでもない限りは、完全なる個を実現することは不可能だし、公のなかで教えられること、磨かれること、成長できることがたくさんあるからです。極端に振れないバランス感覚が大事だということです。
正義中毒者と対峙することよりも、大切なことは、自分自身が「正義中毒」に陥らないような習慣を身につけること。
その辺りも含めてこの正義中毒はどのように生成され、そして正義中毒の被害から如何にして我が身を守るのか(パワハラ問題にも通じること)は、引き続き「7つの習慣」からも紐解き連載して参ります!
「正義中毒」と「7つの習慣」も親和性が高いです・・・乞うご期待(笑)