「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。
原則とは・・・①万国共通で不変なもの
②質の高い結果を生みだすもの
③私たちの内面の外側にあるもの
④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの
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当ブログでは、「7つの習慣」をより深く、多角的に理解するために、何冊かの書籍をご紹介してきましたが、またそんな1冊に出会えました。
久しぶりに心の琴線に触れる書籍。
「終わりを思い描くことから始める」をさらにわかりやすく、そして感動しながら現実的に考えさせられるそんな書籍です!
著者でホスピス医の小澤竹俊さんは、終末医療で多くの方の最後を看取ってきました。
その中で明らかになったのは、何を残すのかではなくて、どう生きるのかということ。
「人は余命いくばくもない死と直面したときに、大きな価値観の変化が訪れます。今まで興味のなかった道端に咲く花だとか、自然の風、美しい空、大切な人々・・・自分が歩んできた世界はこんなにも素晴らしいものに囲まれていたと気づくのです」
価値観の変化・・・パラダイムシフトが起きるのですね!
「どう生きるかだけにフォーカスを当てると、人はどうしてもいろいろなことを考え過ぎてしまいます」
もちろん、すべての人が安らかな死を迎えられるわけではありませんが、末期癌で余命を宣告されると、多くの場合は、肉体と心が死に向けて準備を始めていくそうです。
そして、「眠るように赤ん坊に戻っていく」と表現されております。
書籍で紹介されている、責任感の非常に強い女性。
人に頼ること=人に迷惑をかけることと思い込んでいて、何でも自分がやらなければと子育てから仕事からPTAの役員まで、積極的にこなしていた40代半ばの女性が余命半年と宣告されたそうです。
最初は「(癌のせいで)何もできなくなってしまい、周りの人に申し訳ない。子供たちの成長を見守れない自分が情けないし、ふがいない」と自分を責めていたそうです。
筆者はこの患者さんの話をただただ聴き続けていました(アクティブリスニング)。
三カ月ほどたったころ、この方の気持ちに少しずつ変化が表れて来ました。
「この世で子供たちの成長を見守るのは、夫にゆだねることにしました。私はあの世で、家族を見守ることにします」と話し始め、それと同時に以前は苦悩に満ちていた表情に、穏やかな笑顔が浮かぶようになり、最後は安らかに息を引き取られたそうです。
筆者は呼びかけます。「日ごろから“自分がいなければ”“自分がやらなければ”という思いに苦しんでいる人は、一度、“もしあと1年で人生が終わるとしたら?”と考えてみてください」
「やり残した後悔は、人にゆだねることで消えていく」と。
今までの人生を悔やんでいる患者さんには、「人生の中でもっとも思い出深い出来事はなんですか?」「大切な人に伝えておきたいことはありますか?」と尋ねるそうです(ディグニティ―セラピーというそうです)。
この自分史の記憶を掘り起こしていく中で、最初はまとまらなかった思考も、人に話したり文字にしたりすることで、次第に輪郭がはっきりしてくるそうです。
その過程で、自分が生きてきた意味に気づいたり、人生を肯定できるようになり、自分が存在した意味や、この世界の素晴らしさに気づくのです。
書籍ではこうした余命宣告を受けた患者さんの死への向き合い方~意識の変化が他にも幾つか紹介されており、心を揺さぶられます。
書籍では著者から読者に向けて全部で17の質問が投げかけられます。
すべての問いが、自分の内面と深く向き合う大切な時間になります。
ミッションステートメント作成のヒントにもなり、エンディングノートを本気で書いてみようと思えるようになります。
多くの方に読んでいただきたい1冊です。