「7つの習慣」は個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。
原則とは・・・①万国共通で不変なもの
②質の高い結果を生みだすもの
③私たちの内面の外側にあるもの
④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの
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深イイ!!
もう一度、リーダーシップの四つの側面を振り返ってみましょう。
①ビジョン・・・第1の創造(知的創造)を使って、将来を見据えて、在りたい姿=将来像を明確に思い描き、そこに到達するための十分な準備・計画を行うこと。私(たち)が目指すべきゴール。
②自制・・・ビジョンを現実のものとするための実行力であり、その実現のために払う犠牲のことでもある。意志の力が具現化したものとも言える。
③情熱・・・身体の中から沸き起こる、赤々とした“燃えるようなYes”であり、インサイドアウトのアプローチから生まれるもの。
④良心・・・善悪の判断のみではなく、それをすることが社会のニーズに応えることでもあることを教えてくれる内なる声。その声に従えば、誰かの指示がなくてもセルフマネジメントができる能力。
リーダーシップの四つの側面が確認できたところで、再度上記文言に着目してみましょう。
従業員が自らのボイスを発見し、満足できる企業とは・・・
①明確なビジョンを持ち、そのビジョンが共通理念であり、そこにすべての従業員が価値を感じることができること。上司の細かな指示がなくてもビジョン達成のためにインサイドアウトで働きかけることができること。
②ビジョンを達成するために、従業員を束縛するための規律ではなく、従業員が主体的であるための規律が機能している状態であること。
欠乏マインドではなくて、豊かさマインドを持つリーダーによって、“私たち”が目指す“燃えるようなYes”以外のことに関しては、犠牲を払える“自制”が働いている状態。
③従業員一人ひとりがエンパワーメントできる組織であること。そこに帰属することで、内面からの情熱が湧いてくる状態。
④すべての経営者・従業員が良心の声に導かれ、お互いを尊重しあい、高い信頼関係も構築されていること。
いかがでしょうか?
従業員を大切にし、ウェルビーングな組織とするためには、上記四つのリーダーシップの側面がすべてにおいてバランスよく磨かれていなければなりません。
個人の効果性を高めるために肉体・知性・精神・社会情緒の四つの側面をバランスよく研ぐのと同じで、従業員満足度を高める組織に置いてはこの四つの側面がもっとも高度なレベルで表れている必要があります。
①企業としての社会的ニーズに答え、貢献するためのビジョンが明確であること。そのビジョンがすべての従業員に共通理念として浸透してること。
②目先の利益よりも、従業員を一人の人間として大切に思い、尊重する文化が定着していること。その結果として、従業員も顧客もステークホルダーも高い満足度を得ることができ、シナジーを創り出すことができる。
④まず理解に徹することを社是として、従業員の話しや意見、悩みなどにしっかりと耳を傾ける風土ができていること。共感による傾聴=アクティブリスニングが企業風土として根付いている状態です。
実践し、実現するためにはどれを取っても、相当な努力と忍耐を必要とされます。トップである経営者自身が自らインサイドアウトで変わらなければ実現までには至りません。
「7つの習慣」も「第8の習慣」も即効性のある万能薬ではありません。
経営者自身が粘り強く日々の「私的成功」を積み重ね、終わりを思い描き、二つの創造を実践すること。
会社と従業員がwin-winになるとはどういうことか?を考え、まず従業員の理解に徹し、悩みや問題に対しても自分ごととして寄り添うこと。
従業員を尊重し、大切に思い、一人ひとりに共感し、感謝すること。
この先にあるものが、長期的・継続的な効果であり、シナジーを創り出すことにつながっていくのだと思います。
もちろん、経営者には強力なリーダーシップが求められますが、実際にできている企業はあります!ですから、理想論でも机上の空論でもありません⇒自分ではどうにもならない、関心の輪のできごとではありません。
幸せな企業、そこで働くことに喜びと誇りを持てる企業を増やすことは、経営者の在り方次第=経営者がコントロールできる影響の輪の中のことなのです。
(連続投稿423日目)