第303/365回:「あなたのためを思っては、自分のため・・・」

児玉伸也のブログ

「7つの習慣」は人が人らしく、自分らしい人生を生きるための、そして個人にも組織にも人間関係に置いても、長期的・継続的な効果(豊かで実りある人生)が得られる「原理原則」が描かれた書籍です。

原則とは・・・①万国共通で不変なもの
       ②質の高い結果を生みだすもの
       ③私たちの内面の外側にあるもの
       ④私たちが理解しなくても、受け入れなくても、必ず作用するもの
       ⑤自明的であり、理解すれば私たちに大きな力を与えてくれるもの

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「何を言うかではなくて、誰が言うかが大切」by イチロー

この“誰か”が言うと、人は耳を傾け、話を聞き、そして「私もやってみよう」と思うかもしれません。

ところが、日頃から信頼関係の預け入れをおこなっていない人が同じことを話しても、きっと「自分のことは棚に上げて・・・」とか、「偉そうに、よく言うよ!」とか表面上では聞いているふりをしても、内面は“聞いていない”ことがあるあるではないでしょうか!?

私たちの周りでも“信頼できる人”と“信頼できない人”がいます。

“信頼できる人”の話なら言葉に耳を傾けます。「〇〇さんの言うことなら・・・」と。

まず理解に徹し、そして理解されるという原則も、この信頼関係の上に成り立っています!

話を聞いてもらいたい方、相談をしたい方は聞いてもらう相手を“選択すること”ができます。

日頃から約束を守り、小さなことに気遣い、その場にいない人にも忠実である人=「人格」を磨き続けている人は大きな信頼残高の預け入れがあるので、相手も心を開いて話をしてくれます。

「あなたの人格は、たえず周囲に放たれ、あなたがどのような人間であるかを伝えている。それをある程度感じていれば、長期的にあなたが信頼できる人間かどうか、その人に対する態度が本心からなのかどうか、相手は直感的にわかるようになる」完訳版 p341

親や上司や同僚など「あなたのためを思って・・・」小さい頃から何度も耳にしてきた言葉ですが、実は「自分のためを思って」発する言葉なのですね。意識的か無意識かはさておき。

本当に相手のためを思っているなら、道筋だけを丁寧に示し、相手が自分の力でハシゴを昇ってくる姿を手を差し伸べて応援し、ハシゴから落ちそうになったら、その身をていしてでも支えとなります。

これが、本当に相手のためを思っている姿だと思うのです。

転ばぬ先の杖になれと言っている訳ではありません!転ばないように歩きかたを教えて、背中を押しながら、それでも転びそうになったらまた支えてやることが、相手を信頼するということではないでしょうか?

そうした努力を惜しんで、ただただ口先だけで「あなたのためを思って」自分の意見や考えを押し付けることは、信頼残高の引き出し行為そのものです。

「信頼されたければ、信頼されるに足る人間になる」・・・

「人と人とのコミュニケーションの習慣を本当の意味で身につけたいなら、テクニックだけではだめなのだ。相手が心を開き信頼してくれるような人格を土台にして、相手に共感して話を聴くスキルを積み上げていかなくてはならない。心と心の交流を始めるために、まずは信頼口座を開き、そこにたっぷりと預け入れをしなければならないのである」完訳版 p342

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